2026年9月7日
古い時計のある待合室
待合室の古い時計だけが、夕方の終わりを少し長く引き止めていました。
小さな駅の待合室には、古い時計がかかっていました。
木のベンチは長く使われてきた色をしていて、窓の外には暮れかけたホームが見えます。電車が来る気配はないのに、誰かが席を立ったあとのような静けさだけが残っていました。
止まっていない時計
時計は止まっていませんでした。
秒針はかすかに動き、針の影が壁のしみの上をゆっくり渡っていきます。ただ、その動き方は少しだけ遅く、夕方が終わるのをためらっているようにも見えました。
待っているものが来ない場所には、待っている時間だけが残ります。
その部屋では、たぶん時計がそれを預かっていました。